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リフォームレポート

2010年06月20日(日)

N氏と家族と私の介護奮闘日記

 

 

N氏と家族と私の介護奮闘日記

 

 

私が始めてN氏とお逢いしたのは20年の夏の事で、ケアーマネージャー(以後CM)からのご紹介で身体状況と家屋の状況を確認してアドバイスがほしい、との依頼でした。

初対面の印象は真面目で固い意志をお持ちの方だろうな・・・との印象でとにかく「大丈夫」が口癖の方でした。

いろいろとご本人とご家族の話しを聞いていると居間からトイレまでの動線(人の動く道筋)が心配でトイレの段差につまずいて転ぶ事があり、特に心配しているとの事でした。

                       

                         

①  約8.5の段差。更に床はタイル。滑りますね!

 

このご自宅はN氏が1階で暮らし、2階に息子様夫婦が暮らす典型的な二世帯住宅で玄関、台所、風呂、トイレは共通で灯油ボイラーを使用し、主介護者はお嫁様。息子様のお仕事は朝がとても早く(朝4時?起き?)お忙しい方です。築30年以上なので積極的なリフォームはあまり考えていないとの事です。

ただ父親の安全の為には必要なことはやります、とのご家族の意見ですが、N氏は変わらず「大丈夫」との事でした・・・

 

まず一番最初に出てきた、トイレへのアプローチの安全確保から手をつけました。(と言うよりもこの段階では歩行状態もふらつきはあるものの、杖などで安定していたので私が手をつける場所はトイレくらいしかなかったのです・・・)

 

問題点は   ①トイレへの入り口段差 ②床の滑り ③触るところ(掴む所が無い)

         ④便器が古く、低い ⑤匂いがこもる

 

④と⑤の解決は介護保険を使用しての対応は難しいですが、最大限利用して安全なトイレに作り変える為に動き出しました。以上の点を踏まえつつとりあえずプランニング及び見積もりを作りますが、とにかくトイレ回数の多いN氏。迅速、且、慎重に進めて行かなくてはなりません・・・・それとご家族にこちらの希望と、ご予算金額を近づける事が頭を悩めました(後日予算金額の若干の変更は覚悟していたとの息子様談)

         

           

 

        旧トイレの全貌です           入り口も中も掴める所がありません

 

 *ちなみにウォシュレットは取り付けて1年も経っていないリモコンタイプのものです。

 

 

 

 結果

   ①介護保険を利用して段差(トイレの床を下げる)の解消を致しました。

                      びふぉ~                   あふたぁ~

               

 

床が下がったのが一目瞭然ですよね。一部報道等で「家の中に段差があった方が意識して足を上げるし、リハビリになるのでバリアフリー(ユニバーサルデザイン)なんてとんでもない!」との発言を聞いたこともありますが、一理はあるでしょうが無論、状況と程度によると私は思っています。そもそも危険が伴うリハビリはどうなんでしょうか?落ち着くはずの家で常にリハビリをしなきゃいけない環境はなかなか大変だとおもうんですがねぇ・・・・・・疲れちゃいますよね。

 

   

   ②介護保険を利用して床材の変更を致しました。

 

                  びふぉ~                     あふたぁ~

               

 

タイル張りの床からCF(クッションフロアー)張りの床へとの変更です。もちろん滑りづらくなった事も大切ですが、実は後日談で奥様より「掃除がとても楽になったのよぉ。助かるわ。」とのお話しも頂けました。実はその効果も期待していたので狙い通りです。こんな所で私の家庭でのトイレ掃除の効果が活かされるとは・・・妻に感謝です。

 

 

  ③介護保険を利用して手すりをつけました。

 

 

        びふぉ~       あふたぁ~                            びふぉ~        あふたぁ~

           

 

 

   びふぉ~        あふたぁ~         びふぉ~        あふたぁ~

           

 

 

右下の手すりは位置・長さともに中途半端ですよね?しかし、しっかりと意味があるんです。実はN氏は男性。小の時座ってするのは絶対嫌だ!!との事で立位時に体を支える為の手すりです。意外と考えてるでしょ!

 

 

   

   ④・⑤介護保険外でトイレの交換、換気扇の取り付けをいたしました。

 

 

          びふぉ~                      あふたぁ~

          

 

全体写真では分かりづらいですが、便器が新しい物に変わっております。それに伴い、トイレの隅にあったタンクが便器裏に変更してスッキリし、掃除も楽になったそうです。換気扇の写真が保存してなく申し訳ありません。便座高も約2.5CM上がり、立ち上がりの補助に役立っていそうです。

 

 この内容の工事で介護保険の住宅改修枠は使い切っております。床を下げる工事に大半の枠を使いました。

  

介護保険を利用しての改修工事が一段落つき、使い勝手の確認と問題点がないか再度お邪魔したとき、ご主人(息子様)よりとある相談を受けました。

 

『親父が家のお風呂を入ることはないんだけど、お風呂の改修を考えているんだよね。相談に乗ってくれる?』との事でした。

 

現在のお風呂は在来方式で床はモルタルを打ちっぱなしで壁はタイル張り、浴槽が半分埋め込みになっているステンレスのお風呂でした。確かに浴槽の深さがあり、タイルも一部割れておりました。使い勝手が特段悪いわけではないけどあまり予算をかけないで ある程度見栄えを良くしてほしいとの事です。

 

具体的にお話を聞いていくと、お風呂の改修のお話がご夫婦で上ったとき、ボイラーのお話からの延長だとわかりました。要は現在の灯油ボイラーが『そろそろ寿命で交換したいね。』から『田村に相談してみようっか。』となったようです。後日談ですが息子様は「エコロジーの事を考えて取り替えたんだよ」「地球に優しくね!」とも言っていました。無論二つ返事で対応させて頂きました。以下が今回の改修工事の問題点と解決方法です。

 

             

                         問題点

 

①浴槽の取替え ②壁タイルの張替え ③風呂床の対応 ④ボイラーの交換 ⑤暖房機の問題

 

まず見積もりを作成するにあたりとにかく時間を掛けご家族とよく話し合いました。④に関しては意外とすんなりと内容が決まりました。ご家族はガスのボイラーへの交換を望まれていたのです。

この年は灯油の値段が異常に高く(現在も安くはありませんが・・・)コストが高い、そして何より毎日灯油タンクの確認(内容量)と給油前の雪かきがめんどくさいそうで価格が落ち着いている天然ガス、給油手配などの面倒な手間の必要ない天然ガスを希望されていたのです。

息子様は大変乗り気でしたが、お嫁様の表情がいまいち冴えません。突っ込んでみると『ガスの値段が高いでしょう・・・・』財布を預かる者にとっては当たり前の疑問ですよね。その点は私より正しい解答が出来るガスの営業担当者を後日連れて行き納得するまでお話し、納得して頂ました。

 結果見積もりは何パターンかを作成いたしました。

 

1パターン~お風呂のユニットバス、ガスボイラー(エコジョーズ)、暖房機総入れ替え

2パターン~お風呂のユニットバス、ガスボイラー(エコジョーズ)、暖房機は既存を利用

3パターン~既存の風呂を利用し軽改修、ガスボイラーに交換、暖房機は既存を利用

4パターン~既存の風呂を利用し軽改修、ガスボイラーに交換、暖房機総入れ替え

 

予算との折り合い、内容の調整により3パターンをベースに再打ち合わせをし、結果・・

 

①ポリエックの浴槽(現在より一回り小さく深さを浅くした物を使用)を3/1埋め込みに   

  し、空いたスペースを造作したモノ置き場にしました。

 

             

 

②壁のタイルは全部を取り替えるのではなく、既存のタイルの上に貼り付けが出来るタイプの特殊タイルを使用しました。ご家族との話し合いで腰高部分の貼り付けで十分と

との事で写真の通り、2トーンカラーのお風呂になりました(笑)

 

③床も同様に既存のモルタル部分を生かしつつ、再左官作業と防水処理を施し、同色の床専用タイルを使用しました。水はけもよく掃除が楽との事です。ちなみに配管の位置をずらして、カランの位置も微妙にずらしています。

 

  

 

 

④・⑤ボイラーは灯油ボイラーから(2基)からガス給湯・暖房のエコジョーズに変更しま

    しました。暖房機はパネルヒーター、ファンコンともにメンテナンスをし、現行を再  

     利用しています。スッキリでしょ。

     

 

 後日談ですが灯油よりコストがとにかく安くなった!(N氏家族談)と大変お喜びでした。ボイラー室が広くなったのでちょっとした物置き場になって便利になったとの事です。何よりすべてにおいて楽になり、手間がかからなくなったとの事で大成功です!

 この際、お風呂も追い炊き機能をつけたので、お風呂も快適になったそうです。

 

 追い炊きリモコンです。呼び出しボタンが以外に好評でした。

                           音声案内は慣れるととてもいいとの事です

                                                                                                              追い炊き配管です

 

 

 

 

ほどなくして、N氏の体調に大きな変化が訪れました。多発性の圧迫骨折 が発症し、(原因は不明)ほぼ動けない状態になり、ご家族のご負担が跳ね上がりました。無論ご本人も辛いでしょうが、ご家族にとっても大変な時期に入っていたようです。

 各サービスの担当者及びご家族での話し合いが続きました。結果私の分野では環境の再見直し、及び福祉用具の選定作業に取り組みました。

 

第1段は、寝室を居間に移すことで動線の拡散を防止し、介助の(介護)しやすさを目 

        標としました。

用具としては特殊寝台(介護用電動ベット)、特殊寝台付属品(低反発マット、ベット柵、介助バー)、手すり(工事を伴わない、レンタル品)の導入から検討いたしました。

写真はありませんがこの時期にワイヤレスの呼び鈴を購入頂きました(自費)

 

 

 

介護保険の適応での貸与商材

 

同時に普段からお使いのソファーイス(座面高40CM)からの立ち上がりや座りに役立つようベストポジションバー通称BP(リフォームレポート参照)を設置し、少しでもベットからの離床時間を長くするように致しました。最初は痛みも強くなかなかご利用になる機会も少なかったようですが、ご家族の献身的な介助もあり徐々に離床時間も長くなり大変役立つ存在になっていったようです。(ホッ・・)

 

状況が少し落ち着いてきた頃、奥様の「せっかくなら、入り口近くにもBPが欲しいわ」との声により、入り口付近にBPをもう1本設置し120CMの横手すりをつけてH型の手すりのご提案をしてみました。立ち上がり動作は徐々に良くなってきていましたが、ふらつきが大きく転倒のリスクも高かったので、せっかくなら室内にも安定感のある横手すりを設置してしまおう!との発想です。ついでに立ち上がり等にも使えて《一度で二度おいしい》みたいな感じで・・・

 

        

 

    入り口とBPとソファーイスの位置関係です。(当時は入り口は開き戸でした)

 

実はこの横手すり90CMとかなり高めに設置しています。ご身長がお年のわりに高く、手足も長いので・・・また高めの位置のほうが歩行状況が安定しておりました。人体の不思議ですね?

 

 

 

この内容でしばらく様子を見ていましたが、圧迫骨折が快方に向かって行くのと同時にトイレへの回数が多くなり始めて行きます。(持病が徐々に悪化してゆきました)歩行状況は長い《横になる生活》の為か安定感が無く、転倒・怪我のリスクは高くなってゆきました。無論、他サービスで筋力の維持と歩行の安定を目的とした活動は行なっていました。ただ一度落ちた体力は干ししいたけのように簡単には戻りません。

 

次の問題点は以下の通りです

 

      ◎開き戸の開け閉め作業による転倒の危険(通称引き込まれ状態)

      ◎寝室兼居間とトイレの間にある玄関土間への転落の可能性

      ◎デットスペース(手すり等の取付が出来ない)の安定歩行の確保

 

以上3点が次の課題として持ち上がりました。又ご家族と私とCM、他サービスで頭を付き合わせ以下の案を提案してみました。

 

      ◎開き戸を引き戸に改修

      ◎ご家族の邪魔になることを覚悟の上でBPの設

 

打合せを重ね実際行なった内容が以下の通りです。なかなかの自信作です(笑)

 

           びふぉ~                           あふたぁ~

  が 

 

                          更に・・・

〈びふぉ~〉

      

    

    ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

 

〈あふたぁ~〉

          

 

どうですか?引き戸の真ん中の細長い採光窓(強化プラスチック)はお嫁様と息子様のアイディアです。夜でも戸を開けないで様子が判るようにと・・・且、玄関が明るくなるように大きめに設置しています。段差も取っ払って敷き詰めのカーペットの淵には足が引っかからないように金物の見切り材を使用しています。

 

 

土間への転落防止と歩行の安定の為には介護保険を利用して福祉用具を貸与して頂きました。こんな感じです。↓

 

      

  

 

      写真ではわじかりずらいですが横手すりが壁側に跳ね上がります。

 

この手すりを設置できたことで壁の無いデット空間でもベットからトイレまでほぼ一直線に何かしら安定感のある触るものが出来ました。横手すりの設置高さは居間より低く80CM、バランスを崩した際に土間に落ちないようささえになる高さにあえてしております。

 

扉の改修は実は介護保険で行なっております。何故?前のトイレ改修で枠を使い切っているんでないの?怒りの声が聞こえて来そうです・・・

 

不幸中の幸いと言いますか、以前介護保険を利用して改修を行なったときより、この段階で介護認定が3ランクアップしていました。(法律により3段階進んだ場合一回のみですが改修費の支給20万円枠上限がリセットされます。ちなみに転居した場合も支給残額がリセットされます。詳しくは当店までお問い合わせ下さい。

 

この事を利用しての改修でした。

 

 

 

   まとめ・・・

 

以上の住宅改修・福祉用具のレンタル・自費でのリフォームをうまく使いこなしてN氏の生活環境はかなり改善され家族の介護体制の負担軽減にもお役に立っているようです。当店の考えでは介護体制の負担軽減はご本人にもご家族にも必要不可欠で、結果長く在宅生活を営める原動力と考えております。住宅改修も福祉用具の活用も無論ですが生活の中にある普通の物がひょんなことで、とても役に立つ・欠かせない用品になることも多々あります。お金で全て解決は出来ません。ただお金を使うことで〈楽〉〈安心〉を得られることが多い事も事実です。お金もモノも人もうまく使いこなすこと、そしてより多いアドバイザーが身の周りにいる事が大切ではないでしょうか?私ども札幌東店・フレアスト北店は親身になりアドバイザーとしての役割を全うしたいと考えております。まずはお気軽にご相談下さい。きっと何かが変わるはずです・・・・

 

最後にご協力、ご賛同頂きましたN氏。及び息子様・お嫁様、ご家族様。ご提案を心よりご理解頂き協力いただいたCM様をはじめ関係者様。ありがとうございます。これからも宜しくお願い致します。見ていただいた方に少しでも参考になればいいな・・・・

                          

                          パナソニックエイジフリー介護チェーン札幌東

                            福祉用具専門相談員   田村 優

 

 

  

 

  参考・・・

 

N氏のご家族は以前記述したとおり、とても献身的で、積極的です。他にも色々な工夫をしております。ご参考までに・・・

 

     私が入る前から取り付けてあ                        

                                         った手すりです。自費でつけ

                                         たそうです。高さ設定はばっ 

                                         ちりでした。

 

 階段の滑り止め。通販でご購入した、なかなかのシロモノです・・・・

 

 

  極めつけ・・・

 

             

 

改修した引き戸の跳ね返り防止のクッション材(手作り)です。全て業者任せにしない姿勢がすばらしいです。いい仕事ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

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